Certified Scrum Product Owner 研修受けてきた

Product Manager Advent Calendar 2018  4日目の記事です。

 

2018/11/24土, 25日 に、Certified Scrum Product Ownerの研修を受けてきた。

Certified Scrum Product Owner® - Satisha Venkataramaiah - 24 - 25 November, 2018 - Tokyo, Tokyo, Japan

講師はインドでScrum用のアプリ開発やScrum Allianceの各種研修を行っているLeanPitchという会社の方。

全編英語・通訳なしだったので、受講前はわりと不安だったのだけれど、講師の方が割とわかりやすい英語を使ってくれたので、ちゃんと理解していくことができた。

 

POのアクティビティをきちんと学ぶには2日間は短すぎるとは感じたけど、全体として満足度の高い研修だった。

特に、ScrumとかSprintを始める前の、Productの価値を考えて実証していくところにほとんどの時間を割いていたところに感銘を受けた。POの仕事の重きはやはり開発を始める前の段階にあるのだと再確認。

さらに何かを説明するときにひとつひとつ図やマトリックスを書いて説明していたのも印象的。おかげで体型的に学ぶことができたし、あとで見返して理解を深めるのにも役立った。図解して分析したり説明するのは、POの重要なスキルの一つだな

あと、英語はちょっと苦労したものの、Non-Japaneseの方ががほとんどだったことで、質問や議論が活発になってより有意義な研修になった。講義中もどんどん質問したり意見言ったり、日本人だけだとつい遠慮してしまいがちだし、英語のおかげで何かを学ぶ機会が増えたのは嬉しい。

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CSPO研修は講師によって全然内容が違うと聞いたので、扱った内容を時系列で。

Day.1

Cost of delay

開発した機能のリリースが遅れる、もしくは使われないことでの損失。すでにかけた開発・人件費などのサンクコストや機会損失がある。タイムボックスを決めてレビューをきちんと回して、使われることを実証してCost of delayをなるべく少なくしていくことが大事。

Cost of Production

システムの非効率性によりかかるオペレーションコスト。テスト書いてなかったり、技術的負債によって起こる。プロダクト開発はエンジニアのプラクティスを受け入れて、DoDをちゃんと定義して進めていくこと

Envisioning

Visionの設定。プロダクトの顧客が誰で、どんな役割を持っていて、超えなければならないハードルが何で、そのハードルに対応する差別化要因は何で、どんな結果が得られるのかをまとめて、説明できるようにする。

エレベーターピッチをやってみると良い

Generating ideas using impact mapping

Impact mappingとして以下の通りアイディアをまとめる

  • Vision(なぜそのプロダクトを作るのか。プロダクトの目的)
  • Actors(プロダクトの目的を達成するのに関係する人)
  • Activity(Actorsがプロダクトの目的を達成するためにやること)
  • Constrains(なぜそのActivityを今できないのか。やるためのハードル)
  • Features(Constrainsを取り除くためのプロダクトの機能)

これを  (Actors), I want (Features), so that I can (Activity). と書き換えるとユーザストーリーが出来上がる

Experiment canvas (Product canvas)

Impact mappingの中の数々のActivityを、Visionに対してどれくらいインパクトを与えるかを大中小分類分けをして、Visionに対して大きな影響を与えるものを、そのプロダクトのBig pictureとする。

Vision / Target group(Actors) / Big picture / Product detail (Features) をまとめる

Day.2

Who is product owner? 

これはいろんな派閥がある議論。

講師の方の定義は、PO is CEO of Productで、POは"Market research", "User research", "Business modeling", "Product development"すべてに責任を持つ人物。

Project Manager + Product Manager = Product Owner であり、

Marketing Manager + Business Analyst = Product Owner 。

正直そんなスーパーマンがどれだけいるんだと思ってしまうけれど・・・

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Product Ownerの責任範囲

What is the role of a Project Manager on Scrum Team? - Leanpitchより抜粋

User experience mapping

  • Stages やることのサマリ
  • Goals やることの最終目的、ゴール
  • Doing ゴール達成のためにやること
  • Thinking やっているときや、ゴール達成の結果として期待していること
  • Feeling やっているときの感情  :(  :|  :) 
  • Problem やっているときの問題
  • Ideas こうなったらいいのに
  • Importance このゴールや課題解決の重要度。10点中○点

このフォーマットをもとにユーザの課題の仮説を作り、ユーザリサーチで実証する。

Value hypothesis

ユーザリサーチをもとに、提供できる価値の仮説を立てる。

  • もし「この課題を解決」したら
  • 「この結果」が得られる。
  • それは「このKPI」で実証する

Identify MVP

MVPとは、目的を果たすことができる=Value hypothesisを実証するために必要な機能。つまりhypothesisを実証するまでに至ってない最低限の機能は、MVPとは呼ばない。

あと、異なるペルソナや異なるニーズに対しては、異なるAcceptance Criteriaが必要になる。

Prioritize

そのFeatureのCost of delayと、生み出すBusiness valueをもとに、Refinementを行って優先度を決める。決まったらProduct backlogへ。

Business Value Investigation

BV = Acquisition value + retention value 費用対効果の分析など

スポンサーがどの機能に価値を感じて投資してくれるかの分析。

ステークホルダーを与える影響×興味・関心で分類分けして、決定権をどこまで持たせるかを決める

 

学んだTopicは以上。

このそれぞれのTopicを理解することを1 Storyと見立てて、2日間を4 Sprintに分けて研修を進めていった。Sprintは講義以外にもディスカッションしたり自分たちのプロダクト作成のロールプレイをしていく。Sprint reviewでは各グループの内容の理解度をアセスメント的な問題でテスト。レトロスペクティブではどうやってこの研修のValueを最大限高めて、短い時間で学び切るのかアイディアを出していく、というのを4 Sprint続けた。

 

CSPOの認定は、受講してちゃんと議論に参加してればほぼ認定受けれるというものや、(割といいお金出して)受講したのに認定してもらえなかった等、いろいろ聞いたことがあるのだけど、今回は受講後一週間以内に講義内容に沿ったアセスメントのテストをWeb上で受けて、それに合格すればCSPOとして認定されるというものだった。

アセスメントの内容は

  • ステークホルダーが『この6つの機能が今すぐ欲しい!』と言ってきた。あなたはPOとしてどうする?
  • プロダクトがユーザに気に入られてるのに、利益を生み出していないことがわかった。何が原因として考えられて、POとしてどう対応する?

というような質問に記述式で回答していくもの。昨日受けたばかりなので、結果がわかったらまた追記する。

 

追記  アセスメント受けて2日後に無事認定された。よかったよかった。

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おつかれさまでした!