Product Manager Conference 2019 Day1に参加してきた
昨年仕事で参加できなかったので、2年ぶり*1 に Product Manager Conferenceに参加してきた。
Day1だけの参加なのだけど、とても良いセッションが多かったのでかんたんに振り返り。iPadグラレコ風メモにもチャレンジしたのでそちらの紹介も兼ねて。
『ORDINARY PEOPLE, EXTRAORDINARY RESULTS』 Marty Cagan氏
INSPIREDの著者、Marty Cagan氏の講演。これが本当に良かった・・・
自分たちのチームはFeature Team = ロードマップに合わせた機能実装を目的にしてしまっているチームになっていないか?
機能実装ではなく、「問題に対するSolutionを出し、お客様にValueを提供すること」を目指していくべき。
また、Trust(信頼)ということが大きなテーマになっていた。
Empowered Teamを作るには、まずリーダーがメンバーを信頼すること。メンバーは能力を持っていることを理解し、BestなSolutionはチームから生まれることを理解することが重要。
本当に全Team全Leaderに聞いてほしい話。懇親会で「うち全然Empoweredじゃない」「うちFeature Teamだわ」と非常に盛り上がったり
『Special Session: Product Management in TransferWise』 Kaarel Kuddu氏
先程のMarty Cagan氏の講演を補完するようなこれまた良い講演。
TransferWiseではSpeedyに価値を提供することをとても重視しているので、お客様に近いチームがSolutionを考え、チーム内で意思決定することでSpeedを出している。
チーム内で意思決定するためには、先ほども出てきたTrust(信頼)と、失敗した場合はきちんと学んで次に活かすことが重要。
Twitter上でざわついていたけれど、Product Managerに求めるのは会社を経営できる素質。企業文化にFitして、さらにTeamに権限や責任をもたせられるスキルが必要。
チームの意思決定の自由っていうのは本当にFreedomじゃなくて、DiscussionをもとにDecisionを出していくことっていうのを強調していたと思う。
「素晴らしいプロダクトを提供するため、うちは会社経営できるようなPdMを採用している → いつでもPdM募集している。」の高度なコンボであった #pmconfjp
— tera (@teraco) November 12, 2019
『LINEにおけるお金とユーザーのジレンマ』 LINE 二木 祥平氏
エンジニア・デザイナー・営業・マーケなど様々なRoleの人を取りまとめるProduct Managerが抱えるジレンマについて。
営業「広告費を稼ぐためにもっとメッセージを送りたい」
UXデザイナー「メッセージが多すぎてユーザ体験が下がってるから減らしたい」
といったジレンマをどう解決するか?
一見相反する意見のように見えるけど、WhyやHowを突き詰めていくと実は双方とも「ユーザ体験の向上」を求めており、認識の相違がジレンマを生んでしまっていることが多い。
ジレンマ敗北度チェックとあるように、考えずに機能を実装してしまうとこのジレンマに陥ってしまうことが多い。このジレンマを解くことがProduct Managerの仕事の醍醐味。
『PMにおけるストーリーテリング』 freee 岡田 悠氏
「PMにおけるストーリーテリング」というタイトルで登壇しました。寿司の話をしました。聞いていただいた方々、ありがとうございました。#pmconfjp #pmconfjp_main pic.twitter.com/hcJH0sLWCo
— 岡田 悠 (@YuuuO) November 12, 2019
メモ取れていないのだけれど、ストーリーテリング。
「ファクト=静的な情報」は伝えても記憶に残らないのだけれど、
「ストーリー=物語性、主観的」として伝えると聞き手の記憶に残るし、それを他の人にも伝えようとしてくれるのでどんどん伝達していく。
これはすごく具体的でわかりやすく、例えば仕様を説明するとか、データを説明する上でも、ストーリーとして伝えれば人を巻き込む力が上がっていくのではと感じた。明日から試そうと思える良いTips。
『“失敗事例で学ぶ” 失敗しないプロダクトマネジメント- PMの必須スキルと、自走する組織のつくりかた』 エン・ジャパン 岡田 康豊氏
こちらもメモないのだけれど、重要なことはかなり上記のnoteで説明されている。自分の組織に合うものを探して取り入れてみてくださいとのこと。
「組織を作ることは、プロダクトを作ることと同じくらい重要」by 及川さん が非常に印象に残っている。
『コミュニティマネジメント: プロダクトの開発と展開をコミュニティが加速させる』 東京大学 FoundX 馬田 隆明氏
この話の「コミュニティ」とは、プロダクトのフォーラムやプロダクトについての情報交換といった、 ユーザ同士の繋がりあったプロダクト・コミュニティのこと。
コミュニティでユーザ同士のつながりを強めることで、ユーザのプロダクトへの愛や関心も強くなる。他のユーザが提供したプロダクトの情報があるからそのプロダクトを使うようになり、さらにそのユーザが情報を提供する、というサイクルを回していく。
コミュニティやサポートはプロダクトの一部として、コミュニティマネジメントをしていく必要がある。ただし、コミュニティマネジメントや戦略は軽視されがちなので、「ユーザがコミュニティから何を得られるか」「ユーザの役割はなにか」をきちんと定義していくことが重要。
今の自分の仕事では直接コミュニティに関わることはないのだけれど、コミュニティマネジメントってものに新たな興味が湧く内容だった。
『企業が求めるプロダクトマネージャーとその人材戦略』『異動、転社・転職などを活用したプロダクトマネージャーのキャリア戦略』 ニューズピック 杉浦 正明氏 / グッドパッチ 土屋 尚史氏 / クライス&カンパニー 丸山 貴宏氏
NewsPick、グッドパッチというプロダクト企業の代表のお2人と、採用現場の方のパネルディスカッション。モデレーターは及川さん。
グッドパッチ土屋さんの「他企業から鳴り物入りのエリートとして入ってきてポジション与えた人で成功したことない。新卒から上がってきた人の方がProduct Managerとして活躍することが多い」っていうのが、(少し角が立つけれど)非常に刺さるものがあった。*2
もちろん転職がだめなのではなく、最初から高いポジション与えたりしないことが重要。最初は併走していって、価値観の共有、期待しているものが伝わったら次のステップに行く。
今から他のRoleからProduct Managerを目指す人に求められているのは、NewsPicks杉浦さん曰く「ユーザの満足度を上げられる力」。それを身につけるためには、例えばエンジニアだったらものを作って直接ユーザにぶつけてみるとか。実際に経験してみることが重要。
給料の質問が出たとき、NewsPicks杉浦さんが生々しい金額を出してきてグッドパッチ土屋さんがビビる流れには笑った。
『Keynote Session: Global Leading Product Management』 Zoom Video Communications Harry D. Moseley氏
ラスト!zoomのプロダクトの紹介と、zoomのProduct Managerの役割について。
Product Managerに必要なもの4つが、業界知識、カルチャーFit、協調性、情熱。最終的にProduct Managementの仕事を「楽しむ」事が重要で、「職場に来てHappyじゃないなら来ないほうがいい」 by CEO Eric とのこと。
Customerが実際に必要としているものは、まだ世の中にないものかもしれないので、具体的に欲しいと言われるわけじゃない。「欲しい」と言われたものを「必要」としているものに変換していく。Customerは思った以上にOpenで意見を共有してくれるので、耳を傾けることが必要。
以上!この後は楽しく懇親会で今日の振り返りやら何やら盛り上がりましたとさ。
Day2に行く人は明日も楽しんでください。お疲れさまでした!
追記
@TAKAKING22 さんが当日のスライドをまとめてくださいました!
*1:2年前にまとめていただいたもの : プロダクトマネージャーカンファレンス2017のグラレコだけをまとめてみた | Coの世界
*2:転職のセッションでそれ言っていいのって感じだったけれども。